児童養護施設 田島童園への訪問

  • 1.貧困をなくそう
  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 10.人の国の不平等をなくそう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 16.平和と公正をすべての人に

児童養護施設 田島童園

https://tashimadouen.org/

大阪広域生コンクリート協同組合はCSR活動の一環として寄付活動を行っています。
今回、ご寄付させて頂いたのは大阪市生野区にある『児童養護施設 田島童園』です。
田島童園では家庭において様々な事情を抱えているこどもたちが生活しています。

こどもたちの発達を保障し、こどもたち一人ひとりが主体的に活動する生活を通して、社会性を身につけられるよう愛情をもって養育を行っています。

昭和7年からある建物は老朽化が進み3カ年計画で現在建替え工事中、2019年3月に完成予定です。

今回は、最近完成した北館の会議室に通して頂き、こどもたちも参加して目録贈呈式が行われました。

まず初めに事務主任の香川秀嗣氏から出席者の紹介があり、続いて大阪広域東部ブロック長 高本 克法から
「本日はこのような機会を設けて頂きありがとうございます。今日はみなさんのお話をしっかり聞き、また施設見学を通して勉強させて頂きたいと思います。そしてみなさんのお役に立てるよう、我々大阪広域生コンクリート協同組合が行う社会貢献活動に活かしていきます。」と挨拶がありました。

引き続き、大阪広域専務理事 菅生 行男から田島童園の皆さんに目録が贈呈されました。

目録を受け取った社会福祉法人田島童園理事長 木原 悦治氏から
「今回は寄付金を頂きありがとうございます。大阪広域生コンクリート協同組合の三方良しの精神は、我々の運営目標である「利用者満足・職員満足・経営満足」と相通じるものがあると感じます。そして4つの理念の1つである社会貢献に力を入れていらっしゃることは我々にとって大きな励みになります。頂いた寄付金はこどもたちのために活用します。」と感謝の言葉を頂きました。

最後に記念撮影が行われ、終始和やかな雰囲気の中、贈呈式が終了しました。

贈呈式終了後、香川氏とこどもたちの案内で、施設内を見学させて頂きました。今年建替えが完了したばかりの北館は、モダンなデザインでとてもおしゃれです。

田島童園では2歳から18歳までのこどもたちが現在42名生活をしています。

建替えを機に、生活母体を少人数制のグループホーム型に変更、未就園の幼児、幼稚園・小学生低学年児童、男子学童、女子小学生、女子中高生と、5つのホームに分かれ、それぞれのエリアで過ごしています。

各エリアは「ホーム」と呼ばれ、一軒家のような作りになっており、キッチン、リビング、洗面所やバスルーム、2名ずつのこどもたちの部屋があります。

各ホームには、それぞれ名前があります。

「瑠璃星(るりぼし)」:宝石のように輝く、美しいこどもたちを大切にしたい

「日向(ひなた)」:みんなに注目してもらえる、光輝く存在になる

「琉星(りゅうせい)」:未来に向かって輝きながら前進する

「木洩陽(こもれび)」:一瞬の可能性を一筋の光のようにみつけだす

「暁(あかつき)」:太陽の光が広がるように無限に可能性を広げる

「青春(あおはる)」:いろんなことにぶつかりながら思いっきり自分らしく生きる

「渚(なぎさ)」:失敗しても何度でもチャレンジするあきらめない心を持つ

こどもたちが「ホーム名決めて委員会」を立ち上げ、ひとつひとつのホームが一つの家庭の様に、愛着のある集団になってほしいという想いを込めて一生懸命付けました。(琉星と渚は現在建設中の南館のホームに命名される予定です。)

国の方針で大部屋や食堂などでの集団生活ではなく、一般的な生活環境のなかで養育していくスタイルに移行しています。施設を退園した後の生活のイメージもつけやすく、自立して生活していく為の訓練にもなります。

また、現在18歳までとなっている受け入れ年齢の上限も、今後は20歳まで可能であり、大学進学中の者については20歳を超えて生活することができます。

田島童園の職員は常勤が37名、非常勤も入れると50名以上在籍しています。入所しているこどもたちの人数を上回りますが、丁寧な養育にはスタッフの数はどうしても必要です。

施設長をはじめ、家庭支援専門相談員・指導員・保育士・事務員・ 里親支援専門相談員・個別対応職員・心理士・栄養士・調理員・嘱託医・基幹的職員などの多職種が連携を取り、手厚くこどもたちの支援を行っています。

現在施設にいるこどもの6割は乳児院出身です。また9割はネグレクト(育児放棄)を受けていました。

概ね思春期前期の頃になると、だんだん自分の生い立ちの事や親の事情を理解し、辛い想いを抱えるそうです。定期的に面会に来てくれる親もいる中、自分の親が会いに来てくれないこどもは、ぶつけ様のない感情に押し潰されそうになったりします。職員は、そんなこどもたちの気持ちに寄り添い生活しています。

本来は、親との面会の回数を重ねて、最終的に一緒に生活出来ることを目指しているのですが、全体の2〜3割しか実現出来ないのが現状です。

打開策として里親制度の利用にも力をいれ、活動を行っています。

2017年5月27日、虐待や望まない妊娠などの理由で生みの親と暮らせないこどもたちに「家庭と同様の環境で養育されるように国と自治体が対応する」と定めた児童福祉法の一部を改正する法律が成立しました。

これまでの日本の養育里親制度は、養育里親に委託し、養育を任せるシステムでした。日本文化の影響もあって里親委託は伸びませんでした。社会的養護が必要なこどもの8割以上が乳児院や児童養護施設で育てられており、欧米に比べるとかなり低い数値です。

今後は、官民協働による質の高い社会的養護が促進されることで、里親のリクルーティングから支援まで包括的に行う体制の充実を図ることになっています。

委託されたこどもの育ち・育てを地域社会で担う仕組みが確立出来れば、日本の養育里親制度問題は大きく改善されていくと期待されています。

こどもにとって、大人から一対一で愛情を注がれ、自分のことをしっかり見ていてもらえることは心の安定に必要といわれ、将来、人との信頼関係を築くうえでも重要とされています。

養育里親制度が地域社会に広く根差して、実親のもとで暮らせないこどもたちも“温かい家庭”で育まれる社会になることを願っています。

里親制度についてのHP

・厚生労働省 里親制度等について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/syakaiteki_yougo/02.html

・公益財団法人全国里親会

http://www.zensato.or.jp/

・大阪市里親会

 http://osaka-city-satooya.jp/

大阪広域生コンクリート協同組合は、これからも田島童園のこどもたちの健やかな成長と、夢と明るい未来を応援する活動をしていきます。

© The ready- mixed concrete cooperative of Greater Osaka.
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