NPO法人 チャイルド・ケモ・ハウス
兵庫県神戸市中央区港町中町8丁目5-3
TEL:078-303-5315
大阪広域生コンクリート協同組合はCSR活動の一環として寄付活動を行っています。
今回寄附をさせて頂いたのは神戸のポートアイランドにあるチャイルド・ケモ・ハウス、
2018年11月22日に訪問させて頂き、目録をお渡しして来ました。
チャイルド・ケモ・ハウス(以下チャイケモ)は、小児がんやその他の難病の子どもとその家族が一緒に滞在・宿泊できる、日本初の家族滞在型療養施設です。
神戸市の医療産業都市であるポートアイランドの中にあり、隣接する医療機関とも密に連携をとりながら運営されています。
普通の宿泊施設との違いは医療従事者がすぐそばにいるという事、闘病中の子どもでも安心して家族と過ごせます。
まず、施設内に入り驚かされたのが、一般的な医療施設のイメージとかけ離れた機能性の高いおしゃれなデザインの内装です。
白を基調にした施設には天窓が多く配置されており、自然光だけでも非常に明るい室内です。
中庭やプレイルームも併設されており、子どもたちとそのご家族が気持ちよく過ごせる空間が提供されています。
各部屋にキッチン、トイレ、バスルーム、寝室、仕事で夜遅くなった時も気兼ねなく外から入れる個別の玄関もあり、本当の自宅のように家族との時間を過ごせるよう考えられた作りになっています。
幼稚園や学校に行きたくても行けない子どもたちの為に、学校での授業を体験できるような部屋や卓球などのレクリエーションができる部屋も完備。
高級リゾートのバスルームのような、特別な時間を過ごせる空間も準備されています。
感染症対策として空気清浄機や高性能フィルターが導入され、施設内は清潔に保たれているので安心です。
楠木理事長とのお話の中で、小児がん治療の患児と家族にかかる負担の過酷さを知りました。
1万人に1人の確率で、誰しもが小児がんになる可能性があります。
働き盛り世代である、20代から40代の人口で換算すると700人に1人は小児がん経験者という計算になります。
子どものがんは大人のがんと種類が違うものも多くあり、転移も多く治療が難しいのが現状です。
医療の進歩により、7割の患児が完治できるようになりましたが、小児がん患児の医療環境は非常に過酷なものとなります。
入院中の患児は家族と隔離された生活を余儀なくされます。
感染症予防の為、兄弟と面会する事も叶いません。
学校に行きたくても行けなかったり、外で走り回ったり、元気に騒いだり、普通の事が普通にできなくなります。
薬の副作用によって髪の毛が抜け落ちたり、体調も不安定になります。
小さな子どもにとって、自由が制限されるという事は耐え難い事です。
病気のストレスに加えてそれ以外でのストレスが小さな患児の心と体に積み重なっていくのです。
そして、見逃されやすいのが患児の兄弟たちの精神的ストレスです。
病室では、ほぼ24時間親が患児に付き添うことになります。
病気の兄弟に会えないことも寂しいですが、親に甘えることを我慢しなければならなくなります。
「弟や妹、もしくはお姉ちゃんお兄ちゃんは病気でしんどくて可愛そうなの、あなたは元気なんだから我慢してあげて!わがまま言わないで!いい子にしていて!」
家に残された兄弟は、自分の気持ちを抑え込みがんばってしまうそうです。
闘病生活が長期間に渡り、患児にかかりっきりで疲れ切った親は、そんな兄弟たちの気持ちにまで気がまわらないことも・・・
チャイケモは、患児とその家族が面会制限される事なく同じ空間で過ごす事が出来ます。みんなの気持ちをまるごと包み込み、それぞれのストレスから開放してくれる重要な役割を担っているのです。
・病気になった事以外に苦労させない
・諦める事を極力減らしたい
完治するまでの患児と家族の負担を少しでも減らしたい、「病気だから」という理由で出来るはずの事が出来ないということに憤りを感じていると、楠木理事長が語っておられたのが非常に印象的でした。
楠木理事長も、過去に小児がんをご経験されております。
自分が経験したからこそ、子どもたちとご家族のお気持ちに寄り添い、チャイケモ設立を実現出来たのだろうと感じました。
チャイケモは、その思いに賛同して頂いた方々の支援で成り立っております。
世間に広く認知しもらう為に、2013年から、年に一度「チャイケモウォーク」というチャリティーイベントを開催しています。
2018年度は、1067名が参加されました。
元シンクロナイズドスイミング選手でスポーツコメンテーターの奥野史子さん、MBSアナウンサーの高井美紀さんも参加されております。
スタート地点の神戸の東遊公園(芝生広場)から、ゴール地点のKIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)まで神戸の街を、がんと闘う子どもや家族をサポートしたいという思いを胸に、お揃いのTシャツで歩きます。
ゴール地点のKIITOでは、募金活動や、チャイケモの支援を目的としたチャリティマルシェが開催されます。
家族で楽しめるワークショップや商品、飲食販売など約40店舗が並び、毎年盛況です。
また、少しでも支援して頂きやすいように、「ふるさと納税」を利用した支援方法も導入されました。ふるさと納税を行うことによって、支援者側にもメリットがある形で支援が可能です。
寄附・支援についての詳細はホームページに掲載されています。
http://www.kemohouse.jp/05_shien.html
今回お話を伺って、患児だけでなくそのご家族やご兄弟のケアにも非常に力をいれておられる事がわかりました。
チャイケモの運営に携わる方々も、過去にご自身やお子さまが小児がんや難病になられた方が多く、施設を利用される家族に親身に向き合って活動されていると感じました。
大阪広域生コンクリート協同組合は、「チャイケモ」を世間に広く認知してもらい支援の輪が広がるよう、今後も継続的な支援を行っていきます。