技術報告会2013 「暑中コンクリート工事における対策マニュアル」講習会開催

大阪広域生コンクリート協同組合は、5月27日に日本建築学会近畿支部との共催により「技術報告会2013」を大阪リバーサイドホテルにおいて開催しました。

今回の技術報告会は、日本建築学会近畿支部より発刊された「暑中コンクリート工事における対策マニュアル」の講習会として開催されました。本マニュアルは、2009年より4年間にわたって当協組と日本建築学会近畿支部材料・施工部会とが共同で進めてきた実験検討の成果を取りまとめたもので、荷卸し時のコンクリート温度が35℃を超える可能性のある時期にとるべき対策や関連資料が掲載された実用的マニュアルとなっています。

参加者は当協組加盟工場のほか他県の生コン工場や設計・監理・施工などのコンクリート工事に携わる関係者を含め、219名に及ぶ多数の方の参加があり、暑中コンクリート対策への関心の高さが窺えました。

本マニュアルでは、荷卸し時のコンクリート温度が35℃を超えても38℃以下であればコンクリートの品質が適正に確保できる条件(適用条件)として次の7項目を提示しています。

  • 荷卸し時のコンクリート温度が 35℃を超えるような環境下での,スランプの経時変化やプロクター貫入   抵抗値等のデータを有していること.
  • 遅延形の混和剤を使用していること.
  • 普通ポルトランドセメントを使用していること.
  • 単位セメント量は 320kg/m 3 以上,水セメント比は 55%以下であること.
  • スランプは 18cm 以上であること.
  • 混和剤の使用量が,性能を満足させる量を確保していること.
  • 適切な施工管理が行われること.

さらに、本マニュアルの適用に当たっては、コンクリート温度が35℃を超える場合の対策内容を共通の認識とするため、工事関係者間で「ブリーフィング(事前協議)」を行うことを前提としています。

当協組加盟の全工場は、本マニュアルに示された適用条件を満足するデータ等を保有しており、材料・調(配)合・製造および運搬面において実施しうる暑中コンクリートへの対策に取り組んでいます。

最後に、「暑中コンクリート工事における対策マニュアル」の構成を以下にご紹介します。

  • 1章 はじめに
  • 2章 暑中コンクリートに関する規定値の変遷
  • 3章 暑中コンクリートの各規・基準
  • 4章 適用条件
  • 5章 ブリーフィング(事前協議)
  • 6章 コンクリートの材料・調(配)合・製造・運搬時の暑中対策
  • 7章 施工および養生時の暑中対策
  • 8章 おわりに
  • 付録1 気象データに関する資料
  • 付録2 大阪広域生コンクリート協同組合の暑中対策
  • 付録3 暑中コンクリートの実験結果
  • 付録4 コンクリートの温度推定式
  • 付録5 高性能AE減水剤の標準形と遅延形の性能の差に関する資料
  • 付録6 コンクリート用養生剤の例
  • 資料編 暑中コンクリート施工に関する規格の変遷
© The ready- mixed concrete cooperative of Greater Osaka.
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