大阪広域生コンクリート協同組合は「4つの行動理念、三方良し+α、善悪の判断」を推し進め健全な組合運営を行っています。
その結果、組合員工場においては近年安定的な利益の享受がもたらされ、その恩恵が従業員の待遇改善や、老朽化した工場設備の更新という形として現れています。
持続可能な経営には「人材育成・設備投資・利益確保」の充実が不可欠です。
今回の特集では、「設備投資」にあたる工場のS&B※の事例を、数回に分けて紹介しています。
第2回目は神戸ブロックの㈱東神戸宇部生コンです。
※SB:スクラップアンドビルド(scrap and build)
老朽化・陳腐化が進み、物理的または機能的に古くなった設備を廃棄し、高能率の新鋭設備に置き換えること。
2.㈱東神戸宇部生コン
〒658-0024
兵庫県神戸市東灘区魚崎浜町41-1
TEL:078-431-3800
FAX:078-431-3801
設立年月日:2019年1月17日(出荷開始:2021年5月10日)
前プラントの稼働年数:1969年〜2018年(49年)
SB期間:2年
更新した箇所:敷地基礎、事務所、プラント、設備全般
ミキサの型式・容量:MEBIUS(KBP-MBU3300R)3300L(光洋機械産業)
セメントサイロ:3本6区画(N:150t、BB:150t、低熱:100t、早強:50t、予備:100t・50t)
骨材サイロ:11区画(コンクリート製骨材サイロ:1300t×6区画、オープンサイロ:1300t×3区画・620t×2区画、混和剤タンク:6000L×10基)
SB前は地盤沈下も
土壌の状態が悪く激しい地盤沈下でサイロなどが傾いており、杭を90〜100本ほど入れ補強した。
工事には業者だけでなく、工場の従業員も参加し、重機に乗り、溶接などの作業を担当し、自分たちが作り上げた工場という愛着がより強くなった。
環境への配慮
新たに無排水クローズドシステムを導入。
雨水用と汚水用に水路を2本設置し、汚水は敷地内で濾過〜中和されて生活排水レベルにまで処理される。
処理水は練り混ぜ水として循環利用することで、環境保全だけでなく工業用水の費用の削減にもなっている。
練水冷却チラーの導入
夏場の生コンクリートの温度管理に役立っている。
練混ぜ時の水温を下げる設備であり、輸送中の温度上昇への配慮は従来同様必要だが、スタート時の温度を3度程度低く出来るので、効果を実感している。
ミキサはメビウスの3300L
ヘッドが大きいので計量が早く、従来のものより連続練りの作業時間が短縮され、待ちの車がたまる事はなくなった。
バックアップ機能の充実
事務所1階と2階に操作盤が設置されている
㈱東神戸宇部生コンは日々の注文が多い為、万が一出荷ができなくなってしまっても他の工場に注文を全て振ることは難しい。
何らかのトラブルが起き、1階の操作盤が使用不能になった時の緊急用として2階にも操作盤を設置した。
平常時は、1階の操作盤を使用し、2階はバッチャー船からの骨材受け入れ時に詰まりなどのトラブルが起きていないかを映すモニターとして使用している。
従業員が気持ちよく働ける環境を完備
大会議室は、資格取得希望者が空き時間に勉強出来るように開放している。
3階にある大きな休憩室では、夜間出荷の際、布団をひいて仮眠をとることも出来、隣接するテラスでは涼しくなったらバーベキューをする計画もあるそう。
工場の推しポイント
高品質の生コンクリートが安定供給出来る点。
品質については神栄グループ全体で強化している部分でもあり、この半年一度も試験で外れたことがない。
この実績は、現場でトラブルが起きた時に「うちの生コンの品質に問題はありません!」と伝える際の自信となっている。
これから挑戦したい事
試験室を広く設計しているので、色々な試験や研究を実施して、他の工場では出来ないオリジナルの配合の超高強度コンクリートなどを作れるようになりたい。