株式会社 サンコー

歴史ある土地で最先端技術の発展を支える

 

株式会社 サンコー

神戸ブロック

神戸市垂水区下畑町242番地

TEL: 078-752-8282

操業 2003年

ミキサー 3000L × 1基

車輌 10t×5台

 

 

・広大な敷地とインフラの利便性に恵まれた環境

㈱サンコーの工場がある神戸ブロックの神戸市垂水区下畑町は、六甲山脈へと繋がる山々とその下には須磨海岸が広がっています。

はるか昔の平安時代には紫式部の「源氏物語」の中では須磨が登場、また源平合戦で平敦盛が最後を遂げた戦場、一ノ谷が工場の南側にある、歴史や文学と深く関わりを持つ地でもあります。

工場の南側には鉢伏山と呼ばれる山があり、中級者向けの登山道や須磨浦公園から山頂へのロープウェイもあります。

たまに登山者が道を誤り、サンコーの敷地内を下山して来られることも。過去には滑落し負傷した登山者を救助し病院へ搬送したこともあるそうです。

豊かな自然に囲まれた山は、四季折々の美しい景色を見せてくれます。中でも、春の山桜の美しさは格別で、近隣住民が写真撮影に訪れます。

鉢伏山の隣の旗振山には、旗振茶屋という茶屋があり、毎年行われる納涼大会に㈱サンコーも参加、バーベキューなどを楽しんでいるそうです。

 

 

 

工場から神戸の中心地まで、そして明石までは共に30分前後と交通の利便性に優れています。

山間部に近く、住宅街から離れているので早朝、夜間の出荷もスムーズです。

創業者の私有地に建てたという施設は敷地が広く、レイアウトにゆとりを持った設計となっています。

地形の傾斜を利用してプラントを低い位置に、骨材ヤードを高い位置に配置することで、斜傾ベルトコンベアーがほぼ水平に近い角度で設置されています。

 

 

また、広い敷地で様々な試験や実験を行っています。

建築学会が行う「ポンプ圧送実験」は丸2日掛けて行われます。

毎年行われるのですが、テーマが毎年違うので対応に追われるそうで、実験期間中は現場に迷惑を掛けないよう実験用の出荷のみと徹底しています。

 

 

 

 

・最近納入した大型物件は「須磨区大池町計画」

約300戸、10階建てのマンション3棟は現在も建設中です。

現場は工場から10~15分で到着する距離、納入した生コンクリートは33Nの高性能で総数量は20,000㎥です。

再開発が進むこの地域は、綿密な計画の元で区画され、まちづくりが進められています。

阪神大震災の火災で大きな被害を受けた地域ですが、現在は復興も進みきれいな街並みや公園なども整備され、ファミリー層が多く生活する地域となっているようです。

 

 

・記憶に残る苦労した配合トップ3

1.阪神高速大道工区で使用した高流動コンクリート

阪神高速と神戸高速鉄道が複雑に交差する箇所での作業でした。

下に阪神高速のトンネルが、上に高速鉄道の線路が直角ではなく斜めに交差、交差区間が長く、電車が走行する場所なので事故がないように大変神経を使う現場だったそうです。

少しでも工期を短くするためにと選択されたのが併用型の高流動でした。

低熱セメントと混和材の炭酸カルシウムの混合で、試し練りで夜中まで掛かったと当時を振り返る山下工場長。

また、今回の配合が阪神高速の仕様書に記載がないという理由から、仕上がった生コンのフロー管理が±5cmと狭く調整にも苦労したそうですが、実際の打設は、苦労の甲斐あって何事もなく、順調に完了することが出来ました。

 

2.旭通り4丁目再開発

高さ190m地上54階建ての都市型マンション、ホテルなどが入る商業施設、駐車場施設の、合わせて三棟からなる複合施設です。

タワーマンション部分は、分譲マンションで神戸市内では最高層、免震構造を採用し防災面への配慮もされた建築物です。

通常のセメントに比べ水和熱の抑制をはかるとともに長期強度発現性を改善した中庸熱セメントのMCONを使用した配合での納品でした。

強度が39-80Nと幅広く、1日に3配合を練ることもあったと言います。

 

3.真冬の1DAYPAVE

施工主が1DAYPAVE初施工であった為、「1DPとは何か?」の説明から行う必要があったそうです。

通常の生コンクリートの施工では、真冬の気温が下がる時期には養生期間を長く設けることが基本となっていますが、1DAYPAVEはコンクリート打設後 1 日で養 生を終えることが可能な早期交通開放型コンクリートです。

また、元々補修工法として開発された背景から、人力による小規模施工を対象としていることや、コンクリートの配合およびフレッシュ性状が通常の舗装用コンクリートとは異なることなど、いくつか留意しなければならない点があり、初施工、しかも冬期の常識と外れることとなり、施工主側も対応するのにきっと大変な苦労をされたことでしょう。

 

 

 

 

・自分の手で「創り出す」という専門職の魅力

㈱サンコー期待のホープは販売店から工場へ転職された髙谷さん。販売店で8年間のキャリアを積み、即戦力として㈱サンコーにやってきました。

入社時には既にコンクリート主任技士の資格を取得済みのツワモノです。

元々自分の手で「創り出す」という職に興味があり、生コンクリートの世界に足を踏み入れられたそうです。

㈱サンコーに来て5年半が経ち、最近は担当する配合の種類が増えてきました。

配合に間違えがないように、同じ失敗は繰り返さないようにと気を付けながら仕事をしています。

キャリア的にもそろそろ若手を迎え入れる立場となって来たので、先輩たちから教わったことをしっかりと伝えていきたいとお話して下さいました。

 

 

 

今回お邪魔した㈱サンコーさんは、建築学会の実験に協力、1DAYPAVEの出荷実績も多数、またクリーンクリートの出荷実績もある等、新しい事柄に挑戦する、先進的な工場です。

新しい技術や製品は、施工実績の少なさと、従来品への絶対的な信頼から、なかなか採用の機会が巡ってきません。

新しい技術や製品の普及は、㈱サンコーのような地道な活動を通した実績の積み重ねが大切なのです。

高品質で環境に良い「循環型社会に対応した生コン業界」を目指すために、これからも積極的な取組みで、大阪広域をはじめ、生コン業界全体を牽引していって頂きたいと思いました。

 

 

© The ready- mixed concrete cooperative of Greater Osaka.
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