神戸市の職員専門研修がありました

  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

201934日(月)神戸市の職員を対象とした職員専門研修がありました。

この研修は、行政との繋がりを深める為に始まった行事です。
最初はなかなか実現できず、何度も市役所へ足を運びやっと開催できたのが6年前です。

神戸市建設局の土木工事、施工技術を担当する若手と中堅職員の技術力向上の機会として、コンクリートの基礎的な内容の講義と、コンクリート工場の見学との2部構成で約半日のスケジュールで行われます。
毎年夏の時期に開催されていますが、昨年は自然災害の対応に追われ、延期になっていました。

まず始めに神戸商工貿易センタービルで座学の講義が行われました。
大阪広域生コンクリート協同組合の紹介の後、技術部の野上が講義を行いました。

講義の内容は、

・コンクリート用語

・コンクリートの材料

・レディーミクストコンクリートの種類

・各種コンクリート

・品質管理について

となっており、その後質疑応答がありました。

 

講義終了後は生コンクリート工場へ移動して現場の見学です。
㈱光榮社と北神戸生コン㈱の2グループに分かれ、それぞれの工場を見学しました。

 

まずは屋外の設備を見て回ります。
材料の受け入れ設備から始まり、順を追ってプラントの最上階にある材料の振分け用ターンシュート、貯蔵ビン、計量器、そして最後に計量されたそれぞれの材料を混ぜ合わせる工場の心臓部であるミキサーに至るまでを、工場担当者が丁寧に説明していきました。

 

屋外設備の見学後は屋内へ移動、操作室でオペレーションについての説明がありました。
生コンクリートの練り混ぜ作業は、操作盤でコンピューター制御されています。
配合表に基づいた数値を設定することで、人力を使わずプラント内の設備を可動させる事ができます。

また、材料の供給状態や計量の値、実際の作業映像を全てモニターで確認出来るようになっており、様々な種類の生コンクリートを遠隔操作で練り上げる事が可能です。
ミキサーが工場の心臓部とたとえるなら、操作盤は工場の頭脳と言えるでしょう。


 

最後は品質管理を行っている試験室の見学です。
試験室では、あらかじめ計量しておいたセメント・砕石・砂・水・科学混和剤の説明をし、実際に砕石と砂に触って頂きました。

この材料を「試験練りミキサー」(プラントミキサーのミニチュア版)で練り合わせ、その性状を確認する作業を行いました。実際に練り上がった生コンクリートを使って、試験室の担当者によるスランプ試験と空気量検査の実演が行われました。
実演の後、神戸市の職員の方にスランプ試験を体験してもらいました。
挑戦された皆さんは、慣れない手つきで一生懸命に作業されていました。

数名に体験していただいている間に、スランプがどんどんロスして硬くなっていく様子も体感して頂き、生コンククリートの特性を肌で感じて頂きました。
この硬くなった生コンクリートをスコップ等で触り、感覚を覚えた後で高性能AE減水剤を添加、スランプが回復する作用も見てもらいました。
少量の添加により、大きくスランプが回復したことに驚きを感じておられる様でした。

最後に、品質管理用の供試体であるテストピースの圧縮破壊試験をしました。
硬まったコンクリートが圧縮によって所定の強度を越え限界に達し崩壊していく様子は普段目にする機会が無いので、皆さん興味深く見ておられました。

 

全プログラムの終了後、神戸市の担当者から、「貴重な体験をさせて頂いた。また夏にも行う予定なのでよろしくお願いします。」との言葉を頂きました。

今回の見学会は、生コンクリートに親しんでもらい、また行政と生コンクリート業界の繋がりを深めるという目的を十分に果たせた有意義なものとなりました。
そして、今後も継続的に行う必要性を改めて実感した1日でした。

© The ready- mixed concrete cooperative of Greater Osaka.
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