「暑中コンクリート工事における対策マニュアル2018」実務説明会

  • 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 12.つくる責任、つかう責任
  • 13.気候変動に具体的な対策を

「暑中コンクリート工事における対策マニュアル2018」の実務説明会を開催しました。
 

日時:2019530日 15時~
場所:大阪科学技術センター
701号室

今回の実務説明会は、当協組の登録販売店様を対象に、施工者様との事前協議で何をすればいいのかをご理解頂く目的で開催しました。

 

マニュアルの解説は、日本建築学会 近畿支部 材料・施工部会より、主査の山﨑 順二様(株式会社淺沼組)、幹事の岩清水 隆様、山田 藍様(株式会社竹中工務店)より、2部制のプログラムでご講演を頂きました。

 

開会にあたって、木村理事長より、2009年から日本建築学会近畿支部 材料・施工部会と大阪広域生コンクリート協同組合が共同で暑中コンクリート工事における対策を検討し、20135月に暑中コンマニュアルの初版を発刊した。それ以降も、日本建築学会、大阪兵庫生コンクリート工業組合、当協組が中心となって暑中コンクリート工事の対策実験を行い、20193月に第1次改訂版の発刊に至った。

今後、暑中時期のコンクリート温度による持ち帰りを無くすためにも、本マニュアルの普及にご協力して頂きたいと挨拶があった。

 

マニュアル解説①「1章 はじめに/3章 適用条件」を岩清水様に解説して頂きました。

1章の内容は、2018年に近畿24県で実施した暑中コンクリート温度に関する実態調査では、平均的に荷卸し時のコンクリート温度が35℃を超える割合は15%程度となっており、コンクリート温度が35℃を超えることは避けがたい時代となっている。しかしながら効率的な対応策がないのが現状と説明があった。

3章の適用条件では、本マニュアルは、日平均気温の平年値が27℃を超える時期を極暑期(ごくしょき)と定義し、その時期に適用することを基本とすると前置きがあった。

適用条件としては(1)~(7)までを満たすことが必要であり、その条件を満たさない場合の対処として、試し練りによる確認方法が説明された。

 

マニュアル解説②(前半)「4章 ブリーフィング(事前協議)」を山田様に解説して頂きました。

 4章では、施工者様、販売店様および生コン工場のそれぞれの立場での現在の問題点を例に挙げ、その解決策としてブリーフィングが必要と説明があった。また、販売店様は生コン工場と施工者様を繋ぐ重要な役割で、暑中コンクリート工事の対策を提案しスムーズな生コンクリートの納入を実現して頂く為にも、本マニュアルの適用について声を上げて頂きたいと要請があった。

 また、現場試験を実施する場所や採取後の圧縮強度試験用供試体の保管方法についても、炎天下ではなく、可能な限り20℃±10℃の環境下で受入れ試験を実施できるように配慮が必要であると説明があった。

 

マニュアル解説②(後半)「5章 コンクリート材料・調合・製造・運搬時の暑中対策/6章 施工および養生時の暑中対策」を山﨑様に解説して頂きました。

 5章については、生コン工場が実施可能な暑中期のコンクリート温度低減対策は、効果が小さいものばかりで、効果が大きいものは莫大な費用が必要と説明があった。また、生コン車の待機時間を減らし、タイムリーな排出をするのが、現場デリバリーの腕の見せ所と激励があった。

 6章では、施工者が実施すべき対策として、ポンプ輸送管の遮熱対策や現場受入れ時に実施した、生コン車ドラムへの散水事例が報告された。また、土間やスラブ施工後の養生には膜養生剤の散布が効果的であり、散水による湿潤養生が重要であると説明があった。

 さらにWBGT値に関する説明もあり、熱中症予防のため、体調管理を行い、空調服の着用や水分補給を適時行うように注意喚起があった。

 

大阪広域協組加盟工場の暑中期の対応について

大阪広域生コンクリート協同組合の加盟工場が実施する、暑中コンクリート工事の対策として、2009年から2018年の直近10年間の日平均気温の平年値が25℃を超える期間を採用し、その期間は、遅延形混和剤に切替えて対応する内容が説明された。

 

当協組の大藤技術部長より、締めの挨拶があり実務説明会は終了しました。

 

© The ready- mixed concrete cooperative of Greater Osaka.
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