大阪広域協組では2019年のSDGs宣言を機にSDGs委員会を立ち上げ、協組としての活動や組合員の活動をサポートしてきました。
今年度は、組合員各社が取り組んでいる活動をホームページで紹介していきます。
組合員の皆様と情報を広く共有することで、SDGsへの理解が深まり、また組合員同士の交流に繋がればと思います。
今回は中央ブロックの株式会社 岡本生コンクリートの取組を紹介させて頂きます。
我が社のSDGsへの取り組み
株式会社 岡本生コンクリート
鈴木 峰人
持続可能な開発目標(SDGs)は、工場を円滑に運営していく上で、すでに実行している事例がある。当工場の実施例をSDGsの項目にそって以下に記します。
1.人材について ゴール4(教育)、8(働きがい)
これまで、就職活動を迎えた学生さんの選択肢に生コンクリート業界が入る確率は低く、若い人材の獲得が難しい中、工場の従業員の平均年齢は年々上昇していた。
当工場では、この状況を打開し平均年齢の若返りを実現するために、一昨年から工業高校や商業高校を訪問する努力を重ねてきた。そして、今年に入ってやっと新卒を採用する機会に恵まれた。
・新卒採用に向けての取り組み
新卒採用に向けての取り組んだことは、高校訪問の際に会社案内のパンフレットを持参するだけでなく、仕事内容を中心としたリーフレットを別途作成し配布した。また、職場見学の際には、弊社従業員との交流が深まるよう案内役に最も若い社員を配置するなど配慮した。
・新卒の社員教育で気を付けている事
正しいビジネスマナーを身に付けてもらえるように外部のビジネスマナー講習を活用した。また、業務についての基礎的な研修については、グループ工場(本社工場と港工場)に分かれてOJT研修(職場内訓練)を行ったが、教える内容に違いが出ないように指導内容・順番を工夫し指導内容をグループ工場内で共有した。
・新卒入社後の社内の変化
先輩社員が、しっかり、また、先輩らしくなったように思う。
談笑する場面が増え職場の明るさが増した。
2.海外からの人材について ゴール4(教育)、8(働きがい)、10(不平等解消)
※外国人も日本人と同等に扱う
現在、5名のベトナム国籍の従業員が定着している。5名とも日本語の習得には苦労しているようで、現在でも言葉の壁が大きく立ちはだかっている。資格試験では2名が初挑戦でコンクリート技士試験を突破した。会社が出来るサポートとして、週2回日本語講師を招き業務時間内で日本語勉強会を開催している。成長は緩やかであるが日常会話がスムーズにできることを楽しみにしている。
・外国籍社員を採用するメリット
比較的若い人材が集まりやすい。5名とも30歳前半である。日本に活動拠点を移す行動力を持った者だけあり向上心が高くかつ能力も高い。
・外国籍社員を採用するデメリット
業務において曖昧な伝達が見受けられる。やはり言葉の壁がネックになっている。
・外国籍の方へのヒアリング
日本に来たきっかけ
① 給料や福利厚生がしっかりしている。
② 日本の文化を体験したい。
③ 日本は安全な国である。
今取組んでいる目標
① 日本語能力試験のN2、N3へ挑戦。
② コンクリート技士、主任技士の挑戦。
岡本生コンクリートで働いて良かったと感じる事
① 生コン工場の技術やスキルを学ぶことができる。
② 日本語を学ぶチャンスがある。
③給料が良い。
3.女性従業員について ゴール5(ジェンダー平等、女性活躍)、8(働きがい)
事務職ではない試験業務担当の女性従業員が1名在籍している。
女性にも進出してほしい業務である。
・女性従業員にヒアリング
①以前より働きやすくなった点
機械化できる作業に移行しているため、力のいる作業は減りつつあると思う。例えば、試験練りで使用する骨材を準備する際、骨材を保管しているコンテナボックスを移動させるのに、男性4人必要だったところ、機械を使用することで女性でも移動させやすくなった。
②改善してほしい点
試験室の環境が男性の体格に合わせられているので棚に手が届かない、足場が遠くて渡れないといったことがあった。女性職員を増やすのであれば、手を借りることなく作業できるようにレイアウトの工夫が必要であるように思う。
4.資源再生事業について ゴール12(つくる責任つかう責任:資源循環の取り組み)(SDGs委員会メンバーで2025年7月に見学会を実施)
・資源再生事業
①隣接する敷地にグループ会社の産業廃棄物中間処理施設を構えている。残コンを自前で処理することができ、破砕した残コンはRC路盤材として販売している。
②プラントミキサやアジテータ車から排出される残水は、スラッジ水と脱水ケーキを発生させない洗浄設備で処理しており、外部委託する産業廃棄物は限りなくゼロに近い。また、残コンブロックも全国統一規格であるベトンブロックを使用し資源循環に貢献している。
・ベトンブロックを採用したきっかけ
①既存のm3ブロックは低価格で流通しているため利益が望めない、また、付属の吊り鉄筋費用の捻出も難しく販売の限界を感じた。
②メリットは高単価で販売できる事、そしてデメリットは高価であるため出来栄えに気を遣うところ。
産業廃棄物処理後
産業廃棄物中間処理施設
残水処理機_スリット部
残水処理機_排出口
統一規格ブロック作製後
会社概略
株式会社岡本生コンクリート
所在地 大阪府大阪市此花区常吉2丁目2-27
株式会社岡本生コンクリート 港工場
所在地 大阪府大阪市港区福崎1丁目3-41
株式会社坂出興産
所在地 大阪府大阪市此花区常吉2丁目2-27
事業の区分:中間処理
産業廃棄物の種類:汚泥(生コン残渣に限る)、コンクリートがら
処分方法:破砕